お墓の購入費用は誰が負担?継承・両家墓の準備まで徹底解説

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お墓の購入費用は、法律上の定めはないものの、一般的にはお墓を継承する「祭祀承継者」が負担します。ただし、兄弟や親族で分担することも可能で、将来そのお墓に入る予定がある人も費用を負担するのが望ましいとされています。近年は少子高齢化や核家族化の進行により、二世帯でお墓を継承する「両家墓」という選択肢も注目を集めており、継承者問題の解決策として支持されています。

お墓の購入は人生における重要な決断のひとつです。「誰がお墓を購入するのか」「費用は誰が負担するのか」「二世帯でお墓を継承できるのか」「準備はいつ始めるべきか」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。本記事では、お墓の購入から継承、費用負担、そして二世帯での継承方法まで、お墓にまつわる重要な情報を詳しく解説していきます。お墓の購入を検討している方、継承について悩んでいる方、費用負担の分担方法を知りたい方にとって、具体的な判断材料となる内容をお届けします。

目次

お墓購入の費用相場と内訳

お墓の購入費用は、お墓の種類によって大きく異なります。2024年に実施された「第16回お墓の消費者全国実態調査」によると、一般墓(墓石のあるお墓)の平均購入価格は約155.7万円、納骨堂は約79.3万円、樹木葬は約67.8万円となっています。

お墓の費用は主に永代使用料、墓石費用、管理費の3つで構成されています。永代使用料とは、墓地の土地を使用する権利を得るための費用で、約30万円から100万円が相場です。墓地の立地や広さによって金額が変動し、都心部に近い墓地ほど高額になる傾向があります。墓石費用は墓石本体の価格と設置工事にかかる費用を合わせたもので、約50万円から150万円が目安となります。石材の種類やデザイン、大きさによって価格が変わってきます。管理費は墓地の維持管理のために毎年支払う費用で、年間約5,000円から20,000円が一般的です。公営霊園は年間2,000円から1万円程度と比較的安価ですが、民営霊園は年間5,000円から1万5,000円、寺院墓地は年間1万円から2万円が相場となっています。

お墓の種類と特徴

お墓には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。代表的なものとして、一般墓、樹木葬、納骨堂、永代供養墓、合葬墓があります。

一般墓は従来から最も一般的なお墓の形態で、墓石を建てて代々家族が継承していくスタイルです。先祖代々のお墓として家族の歴史を刻むことができる反面、継承者が必要であり、定期的な管理や清掃が求められます。

樹木葬は樹木や草花をシンボルにするお墓で、自然志向の方に人気があり、費用も比較的抑えられます。樹木葬には里山型、公園型、庭園型の3種類があります。里山型は山林や丘など自然と密接した環境に遺骨を埋葬するもので、自然保全の目的もあります。公園型や庭園型は整備された環境の中で眠ることができます。

納骨堂は屋内に遺骨を安置する施設です。ロッカー型、仏壇型、位牌型、自動搬送式などさまざまな形式があります。屋内にあるため天候に左右されずにお参りができ、掃除などの管理の手間も少ないのが特徴です。都心部に多くアクセスが良いこともメリットですが、一般墓に比べて収蔵期間に制限がある場合もあります。

永代供養墓は寺院や霊園の管理者が永代にわたって供養をしてくれるお墓です。継承者がいなくても安心して眠ることができます。合祀型、個別型、納骨堂型、樹木葬型などがあり、費用相場は5万円から150万円と幅広くなっています。

合葬墓は一つの納骨室に不特定多数の遺骨を埋葬するお墓です。永代供養墓としては最も安価ですが、個別での納骨やお参りはできません。また、一度納骨した後は遺骨を取り出すことができないという特徴があります。

お墓の購入手続きと必要書類

お墓を購入する際の流れは、墓地探しと見学から始まります。まずはインターネットなどで希望エリアの霊園・墓地を探し、希望の墓地が見つかったら実際に足を運んで見学することが重要です。立地、アクセス、周辺環境、設備、管理状態などを確認しましょう。

気に入った墓地が見つかったら墓地の契約に進みます。「墓地使用申込書」を記入し、永代使用料や管理費などを支払います。住民票などの必要書類を提出すると墓地の使用契約が結ばれ、「永代使用承諾証(許可証)」が発行されます。

次に墓石の選定を行います。墓石を決める際は複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。ただし、お寺や民営霊園では石材店が指定されている場合もあるため、墓地の契約前に確認しておきましょう。墓石が決まるとお墓の工事が開始され、完成までは2から3か月程度かかることが一般的です。

お墓の購入や納骨に必要な主な書類についても把握しておく必要があります。埋葬許可証は自治体に故人の死亡届を提出することで発行される書類で、火葬場で確認印を押してもらい、墓地管理者に提出することで埋葬が許可されます。墓地使用許可証(永代使用書)は墓地管理者が発行する証明書で、墓地の契約証明書となります。墓地の工事をする際に石材店に提示する必要があります。工事届は、いつ、どの業者が霊園に出入りして、どの区画にどのようなお墓を建てるのかを霊園側に届け出るための書類です。戸籍謄本は墓所使用契約を結ぶ際に必要となる公的書類です。

お墓の費用は誰が負担するのか

お墓の費用を誰が負担するかについて、法律上の明確な決まりはありません。しかし、一般的にはお墓を継承する「祭祀承継者」が多くの費用を負担します。祭祀承継者とは、お墓や仏壇などの祭祀財産を管理し、先祖供養を行う人のことです。

お墓の支払いを負担する人は、そのお墓の承継者にあたる人が一般的です。これは将来的に自分もそのお墓に入ることになるためです。従来は長男が担うケースが多かったものの、近年は家族構成やライフスタイルの変化により、次男や娘、親族以外が承継する例も増えています。

費用を支払う人は名義上1人になりますが、兄弟や親族同士で費用を分担しても構いません。お墓の費用負担の分担をする際のポイントは「誰がそのお墓に入るか」ということです。子供がいない叔父や叔母、独身の次男や娘などが親と同じお墓に入るのであれば、費用負担を求めても良いでしょう。将来的に自分もそのお墓に入りたければ、費用負担をした方が無難です。

お墓に誰を埋葬するかは、祭祀承継者(そのお墓の名義人)が決めることができます。後に名義人が費用負担をしなかった親族の埋葬を拒否することもあり得ます。この点は事前に話し合っておくことが重要です。費用分担の際は、初期費用(永代使用料、墓石費用)の分担割合、年間管理費の負担者、将来の修繕費用の負担方法、お墓に入る予定者の確認を明確にしておくと良いでしょう。

管理費の負担と滞納した場合のリスク

年間管理費は、基本的にはお墓の継承者が支払うことになります。継承者とは将来的にそのお墓に入る人のことで、家族の中では長男や長女が該当するケースが多くなります。

管理費を滞納すると深刻な問題が発生します。霊園・墓地では、管理費について3年から5年など一定期間支払わないと使用権が取り消されるという取り決めがされています。例えば都立霊園では、管理費を5年間支払わない場合、使用許可が取り消されることになります。

基本的には3年間以上管理費が滞納されると、お墓の管理者が利用者やお墓に納められている故人の名前で官報に掲載し、墓地内に立て札で公告を行うなどして、1年以内に申し出るように伝えます。1年以内に申し出がないと、管理者は墓埋法の規定に基づきお墓を撤去し、埋葬されていたお骨は墓地の合祀墓(無縁墓)へ納骨されます。

また、お墓の管理費は民事債権にあたるため、10年間は支払い義務が発生します。たとえお墓が撤去されても、お墓の管理者から請求された場合、10年分は支払わなければなりません。

管理費が払えない場合は、まず墓地の管理者に相談してみましょう。場合によってはしばらく待ってもらえたり、分割での納付が認められたりと、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。また、管理費不要のお墓を選ぶという選択肢もあります。永代供養墓や散骨、手元供養などが該当します。永代供養墓は、お墓を継承する人がいなくても霊園が一定期間供養を行ってくれるお墓のことです。

お墓の継承と祭祀承継者の決め方

お墓や仏壇は、遺産分割の対象となる「相続財産」ではなく、法律上「祭祀財産」と呼ばれ、「祭祀承継者」という一人の人が単独で引き継ぐものと定められています。これは民法897条1項に規定されています。

民法第897条では「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する」と定められています。

祭祀承継者は次の優先順位により決定されます。第1順位は被相続人による指定です。被相続人が遺言や口頭、文書などで指定した場合、その指定に従います。指定の方法について民法は特に定めを置いておらず、口頭でも書面でも構いません。第2順位は慣習による決定です。被相続人による指定がない場合は、その地域や家族の慣習に従って決定します。従来は「長男や長女が継ぐもの」と考えられてきましたが、これはあくまで慣習的なものであり、法律で定められているわけではありません。第3順位は家庭裁判所による指定です。慣習でも決まらない場合は、家庭裁判所が指定します。祭祀承継者の指定の審判は、離婚事件などとは異なり、調停前置主義をとっていないので、初めから審判を申し立てることが可能です。

裁判所が祭祀承継者を指定する際の判断基準について、東京高裁の判例(平成18年4月19日)によれば、「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他一切の事情を総合して判断すべき」としています。

継承者の資格と名義変更手続き

祭祀承継者は血縁者に限られません。他家に嫁いだ娘、姪や甥、直接血のつながりのない姻族、被相続人の親や兄弟姉妹でも承継することができます。

ただし、お墓の場合、墓地や霊園の使用規約によって墓地使用権の承継に条件が設けられている場合もあります。「原則として3親等まで」「原則として使用者の親族であること」などといった条件があることがありますので、事前に確認が必要です。

祭祀承継者が決まったら、まずは承継する墓地の管理者や菩提寺に連絡し、名義変更手続きを行います。必要な書類は墓地によって異なりますが、一般的には名義変更届出書、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、前名義人との関係を証明する書類が求められます。なお、お墓を含む祭祀財産は相続財産の対象ではありませんので、継承しても相続税を支払う必要はありません。

二世帯でのお墓継承「両家墓」とは

両家墓とは、二つの家族が共同で使用するお墓のことです。核家族化や少子化が進む中で、両家の家系を一つの墓にまとめるという発想は、合理的かつ現代的な選択肢として支持されています。

「お墓の継承者がいない」という問題に対し、近年一つの解決策となっているのが両家墓です。両家墓自体は昔からありましたが、あまり一般的ではありませんでした。しかしながら近年の少子化や核家族化を背景として、その数を徐々に増やしています。娘が結婚した後も、婚家と実家で一緒にお墓を管理することで、継承者を確保することができます。

両家墓にはいくつかの形式があります。同一区画に両家のお墓を建てるタイプは、同一区画の中に両家のお墓を1つずつ、合計2つ建てる形式です。それぞれの家のお墓を独立して維持できますが、区画の広さが必要になります。墓石に両家の家名を並べるタイプは、一つの墓石に両家の家名を2つ並べて記載するタイプで、1基で済むため費用面を抑えることができます。家名以外の言葉を刻むタイプは、洋型墓石に家名以外の好きな言葉(「絆」「和」「感謝」など)を中央に大きく刻み、棹石の下部や花立などに両家の家名や家紋を刻む形式です。どちらの家が主かという問題を避けることができます。

両家墓のメリット

両家墓の最大のメリットは、1人の人が2つの家の祭祀継承者になれるという点です。一人っ子同士の結婚などで、それぞれの家のお墓を継承する人がいない場合でも、両家墓にすることで継承問題を解決できます。

管理の手間と費用の軽減も大きなメリットです。二世帯墓であれば、お墓の掃除や草取りなどの作業を一緒に行うことができるため、時間や労力を節約できます。また、管理費用も抑えることができます。

お墓参りの効率化も見逃せないポイントです。両家墓にすれば、お盆やお彼岸のお墓参りの手間が1回で済みます。遠方に実家がある場合などは、大きなメリットとなります。

費用の節約という面も重要です。新たにお墓を建立する場合、2軒のお墓を作ると費用は500万円を超える可能性があります。しかし両家墓にすればその費用を大幅に抑えることができます。

両家墓のデメリットと注意点

両家墓には注意すべきデメリットもあります。最大のデメリットは、お墓を改修したりする場合に、2つの親族と話し合わなければならない点です。一族墓であれば1つの家とその親族だけに相談すれば済みますが、両家墓の場合は両家の合意が必要になります。

親戚の中には、「先祖が縁もゆかりもない子孫の配偶者一族と同じ墓に入る」ことに抵抗のある人も多いでしょう。墓地管理人が許可していても、両家が納得していない場合はトラブルの原因になります。

宗教・宗派の問題も一番多いトラブルの原因となります。夫側のお墓が寺院の墓地にある場合が典型的な例です。妻側の宗旨宗派が曹洞宗で、夫側が浄土真宗の場合など、両家墓にすることが難しいケースがあります。寺院から両家墓にすることを拒否されることもあります。

墓地の許可問題も確認が必要です。墓地を管理している管理者がそもそも両家墓を許可していない場合があります。特に市区町村が経営する公営墓地の場合、許可されないケースが多いです。両家墓を建てることを考えた場合は、まず墓地管理者に相談しましょう。民間墓地や民間霊園は宗旨宗派を問わないため、両家墓に対応しているところがほとんどです。

墓石の彫刻に関する問題もあります。墓石に刻む姓でもめることがあります。どちらの姓を前にするのか、どちらの家名義にするかで対立することがあります。洋型墓石に彫る場合は、両家の姓のどちらを上にするかでもめることもあります。

両家墓を建てる際の準備

両家墓をスムーズに建てるためには、事前の準備が重要です。まず親族への相談と合意形成が大切です。主だった親族の了解を得ることから始めましょう。先祖から承継されているお墓ですから、家族だけで決めてしまわず、まずは親族に相談することが必要です。「事前に何も聞かされていなかった」「勝手に決めてしまうなんて……」といったすれ違いから、後々トラブルに発展するケースは少なくありません。

両家の宗派の確認も欠かせません。両家の宗派が異なる場合、葬儀や先祖供養の際にトラブルが発生する可能性があります。事前に宗派の確認と、どのように供養を行うかを話し合っておきましょう。

墓地管理者への相談も必須です。両家墓を許可しているかどうか、墓地管理者に確認しましょう。また、両家の家名を彫刻できるかどうかも確認が必要です。

費用分担の取り決めも明確にしておく必要があります。初期費用、管理費、将来の修繕費用などについて、両家でどのように分担するかを決めておきましょう。

お墓を建てる時期と生前購入のメリット

お墓の購入時期に法律上の決まりはありません。亡くなってからお墓を建てる場合と、生前にお墓を建てる場合があります。

亡くなってからお墓を建てる場合、一般的には四十九日や年忌法要、お彼岸や祥月命日などの親族や関係者が集まりやすいときに合わせてお墓を建て、納骨式と開眼供養を同時に済ませることが多いです。新しくお墓を建てる場合、一周忌や三回忌法要を目安にお墓を建てて納骨することが多く、または春か秋のお彼岸、お盆などの行事に合わせて納骨する人もいます。実際には、おおむね9割以上の方が一周忌までに購入しています。

生前にお墓を建てることを「寿陵」といいます。「寿」は長寿、長命を意味し、「陵」は「はか」を意味します。生前にお墓を建てるということは、「家に幸福を招き、長寿が約束される」という大変縁起が良いこととされています。還暦のお祝いや定年退職を機に建てられる方が多く、調査によると「終活を始めたい年齢」について多くの世代が60代から70代での開始を希望しています。

生前購入のメリットとして、自分が満足するお墓で安眠できるという点があります。自分の好きな場所や墓石、デザインなどを生前に決めておけば、納得のいくお墓になることは間違いありません。また、家族への経済的負担軽減も大きなメリットです。さらに、お墓は相続税や固定資産税の課税対象外ですので、生前にお墓を建てることで節税になります。死後の行方が分かっている人の方が穏やかに過ごせるという精神的な安心感もあります。

ただし、生前購入には注意点もあります。公営墓地は使用料や管理費が比較的安価ですが、区画の申込みに制限があり、生前での墓地購入ができない所が多い点に注意が必要です。民営霊園は公営に比べて費用はかかりますが、制限は少なく、生前墓地購入が可能です。また、購入した生前墓を放置すると次第に状態が悪くなっていきますので、たとえお墓に遺骨が入っていなくても定期的なお墓参りが必要です。生前といえど死期が近づいてから慌ててお墓を建てようとするのはおすすめできません。お墓探しは現地見学や予算決めなど時間も手間もかかるものですので、本人が元気なうちに行うのがおすすめです。

お墓と税金の関係

お墓や墓地などの祭祀財産は、相続税の非課税財産となります。相続税法第12条において「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」は相続税の課税価格に算入しないと定められています。祭祀財産は物理的な価値だけでなく宗教的・家族的な継承を目的としているため、相続財産とは別個に管理されます。このため、祭祀財産は通常の相続手続きにおける分割や相続税の課税対象にはならず、相続人による共有状態にはならないのです。

墓地は「墓地の使用権」を買うものであり、「墓地の土地そのもの」を買うわけではないため、固定資産税や都市計画税、不動産取得税といった税金の負担は一切ありません。地方税法(第348条2項)にも、墓地については固定資産税を課することができないという規定があります。

生前にお墓などの祭祀財産を購入することで、相続税の節税が可能です。例えば、預貯金1,300万円を持つ父親が生前に300万円でお墓を購入した場合、残りの1,000万円が相続財産となります。しかし、父親の死後に娘が300万円でお墓を購入した場合は、1,300万円全額が相続財産となり、相続税が発生する可能性があります。つまり、課税財産である現預金を非課税財産であるお墓に変えることで、遺産総額を低くすることができ、相続税額を抑えられるのです。

税金に関する注意点として、ローンで購入した場合があります。お墓をローンで購入し、完済前に亡くなった場合は、その残額は債務控除の対象にはなりません。お墓が非課税財産であるため、非課税財産のための債務も控除されないということです。相続税対策としてお墓を購入するのであれば、現金一括払いなどで生前に確実に支払いを終わらせておくことが大切です。また、墓地が非課税になるのはあくまでも相続税の計算だけですので、生前贈与の場合は非課税になりません。日常礼拝しない投資の対象となるもの(骨とう的価値があるなど)や、商品として所有しているものは相続税がかかります。消費税については、墓石購入時には消費税がかかります。消費税がかかるものは、墓石を購入する際の石材費・工事費、霊園に毎年支払う管理料の3つです。ただし、寺院墓地で管理料を「護持会費」として徴収している場合は、消費税も非課税となります。

墓じまいという選択肢

墓じまいとは、今あるお墓を撤去し、墓所を更地にして管理者へ土地を返すことです。墓じまいして取り出された遺骨は、永代供養墓や樹木葬、納骨堂など、別のお墓に移す(改葬する)のが一般的です。法律上、遺骨を勝手に取り出したり、廃棄したりすることはできません。そのため、多くの場合において墓じまいは遺骨を移すための改葬を伴います。

厚生労働省が公開している衛生行政報告例のデータによれば、改葬する事例は年々増加傾向にあり、2014年の83,574件から2024年には176,105件と、過去10年で2倍以上になりました。少子高齢化にともない、お墓の承継者が見つからず、墓じまいを行うケースが増えています。

墓じまいにかかる費用の総額は、35万円から150万円です。内訳としては、お墓の撤去に関する費用、閉眼供養のお布施、離檀料、行政手続きに関する費用、新しい納骨先に関する費用があります。墓石撤去の費用相場は1平方メートルあたり約10万円ですが、地域や撤去方法によって費用は変動します。閉眼供養では読経してくれた僧侶に対してお布施を渡しますが、お布施代の相場は3万円から5万円です。離檀料はお墓が寺院にある場合にのみ発生する費用で、檀家を離れるために寺院へ支払います。通常の法要などでお包みする額の2から3倍程度が目安とされています。必要書類の手配料は数百円から1,500円程度です。新しい納骨先に関する費用は、永代供養墓、樹木葬、納骨堂など、選ぶ納骨先によって大きく異なります。

墓じまいの手続きには、埋蔵証明書、受入証明書、改葬許可申請書の提出が必要です。手続きの流れとしては、まず親族との話し合いから始まります。墓じまいを考えたら、まずは親族としっかりと話し合うことが大切です。「事前に何も聞かされていなかった」といったすれ違いから、後々トラブルに発展するケースは少なくありません。次に新しい納骨先を決定し、永代供養墓、樹木葬、納骨堂など遺骨の新しい納骨先を決めます。現在のお墓がある寺院や霊園に墓じまいの意向を伝え、改葬許可申請書などの必要書類を準備して自治体に提出します。お墓から魂を抜く閉眼供養の儀式を行い、石材店に依頼して墓石を撤去し、墓所を更地にします。最後に遺骨を新しい納骨先に移します。

まとめ

お墓の購入、継承、費用負担は家族にとって重要な問題です。費用負担については法律上の決まりはありませんが、一般的には祭祀承継者が負担し、兄弟や親族で分担することも可能です。将来お墓に入る予定者も費用負担を検討すべきでしょう。

継承については民法897条に基づき祭祀承継者が決定され、被相続人の指定、慣習、家庭裁判所の順で決まります。継承しても相続税はかかりません。

二世帯継承(両家墓)は少子化対策として注目されており、継承者確保、管理の効率化、費用節約といったメリットがあります。一方で、親族間の調整、宗派の問題、墓地の許可といったデメリットもありますので、事前に親族の同意と墓地管理者への確認が必要です。

準備についてはお墓を建てる時期に法律上の決まりはなく、生前購入(寿陵)には節税効果があります。ただし、ローン購入は節税効果がないため注意が必要です。

お墓は家族の歴史を刻む大切な場所です。将来のトラブルを避けるためにも、家族や親族としっかり話し合い、計画的に準備を進めることが大切です。費用負担や継承についても事前に明確にしておくことで、安心してお墓を守り続けることができるでしょう。

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